「ヨハネスブルク・サミット」点描1


「ヨハネスブルク・サミット」点描1
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ヨハネスブルクは、地球が病んでいるということを示すための見本市のような街である。26,000人が持続可能な開発についての会議に集ったサントンは、おそらくアフリカにおいて一番裕福な地域であろう。経済の中心地であり、オフィスビル、ショッピングモールや高級ホテルが立ち並び、住民のほとんどを占める白人たちが、高圧電流の流れる高いフェンスに囲まれた庭つきの家に住み、舗装された道路で車を走らせている。このヨーロッパ風の要塞の中では、貧困やアフリカ南部に広がる旱魃や飢餓のことなど、別世界のできごとのように思われてくる。


サントンの目と鼻の先には、35万人の黒人居住者が、電気も水道もトイレもない掘っ立て小屋にひしめき合って暮らしているスラムが見える(サントン・コンヴェンションセンターからちょうど3 km離れている)。2001年に、汚染された川の水によってコレラが流行した、アレクサンドラである。住民の60%が失業者である―サミット開催中、水と電力の民営化と黒人居住地区への供給カットの停止、ならびにNEPADへの不支持を要求して、ここからサントンまでデモ行進をした。


持続不可能な開発がもたらす最悪の見本のようなヨハネスブルクで開催された、環境保護と開発(貧困削減)に関する話し合いには、どのような成果があったのであろうか。



再生可能なエネルギー
WSSDの主要スポンサーでもあったEskom 所有の発電所の煙突が8基、ヨハネスブルクからプレトリアへ向かう幹線道路の左手に見える。アパルトヘイトに対する国連の経済制裁の一環として、石油の輸入が禁止されていた南アフリカでは、現在でも電力のほとんどが石炭火力でまかなわれており、Escom が国内の発電、送電をほぼ独占している(発電能力では世界の4位、電力量ではアフリカ全土の60%のシェアーを占めている)。アパルトヘイト体制時、金鉱に電力を供給していたEskom は、アパルトヘイトの崩壊後、鉱業、鉄鋼産業に世界でも最も安い価格で電力を提供し続ける一方、これらの産業に労働力を提供している黒人居住地区には、より高い価格で電力を販売している。


WSSDで採択された「実施文書」では、再生可能なエネルギーについて、漠然としたガイドラインしか示されず、また、「再生可能」の定義をめぐる激しい対立の後、原子力や水力発電を再生可能なエネルギーから外さなかった。途上国への電力供給に最適で、地球温暖化防止対策にも有効な、再生可能エネルギーの供給拡大に期限付きで数値目標をさだめることができなかった。



水と衛生
途上国では、病気の80%が汚染された水が原因で発生しており、それにより、8秒に1人の子供が死亡している。11億人が安全な飲み水を確保できず、世界人口の半数に対して、衛生設備が未整備である(WHO推定)。


旱魃や沙漠化による絶対的な水不足に加え、途上国の都市部においては、水道事業の民営化 が、「ウォーター・ディヴァイド(water divide)」という新たな問題を引き起こしている。


ヨハネスブルクのRural Development Services Networkによれば、1994年に南アフリカで水道供給の商品化が導入されて以来、料金滞納を理由に、1千万世帯が水の供給をカットされ、200万世帯が立ち退きを余儀なくされたと言う。水道料金の大幅な引き上げによって、ますます安全な飲み水へのアクセスを断たれた貧困層の女性や子供達は、水汲みのためさらに遠くまで通わなければならず、汚染された水源を利用せざるを得なくなる。世界中で毎年300万人以上の人々が、汚染された飲み水を原因とする病気で死亡しているが、そのほとんどは子供である。


「実施計画」は、安全な飲料水と最低限の衛生設備がない人々の割合を、2015年までに半減することを掲げている。



*水道事業民営化の急速な拡がりには、IMFと世界銀行が深く関わっている。例えば、2000年には12ヶ国(うち8ヶ国がサハラ以南のアフリカ)への融資の際に、水道事業の民営化を条件に加えている(Sources: IMF, Globalization Challenge Initiative and afrol archives)。


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